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〜郷土の風景を楽しむ〜


第1 地球の上での神奈川・横浜の位置〜
 

1 4枚のプレートのひしめくところ

私たちが住んでいる神奈川県は、「地形のミニ博物館」といっていいほどである。巨大火山(箱根)あり、山地としては「丹沢山地」があります。右の図は地球はプレートを表していますが、神奈川県が4枚のプレートが交わるという地球上でもめずらしい場所であることがわかります。
  しかも、太平洋プレートは毎年9cm,フィリピン海プレートは毎年4cm今もぐいぐい押してきています。そのため、神奈川県の地面はいつも動き続けていて、時々大地震や火山噴火を起こすのです。

2 フォッサマグナ地帯として

 フォッサマグナとは、大きな(フォッサ)さけめ(マグナ)という意味です。
下の立体地図で見ると、黄色い線にそって大きな溝が見えると思います。いまから120年も前、1875年、ドイツ人地質学者、エドムンド・ナウマンは晴れた朝に八ケ岳から見渡して、そびえ立つ赤石山脈、ひしめく巨大火山と甲府盆地に続く大きな溝、そして、そのピリオドに富士山がそそり立つ姿を見て、この特別な大地のつくりを発見したと言います。
 この特別な形をつくり出しているものこそ、上で説明した、ひしめく4枚のプレートなのです。
そして、この立体地図の中で、横浜市がどこに位置するのかを確認して下さい。
 横浜市の土地が「フォッサマグナ」と言われる土地のつくりの一部(周辺地帯?)で,一連の現象の中にあること見えてくるでしょうか。
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3 箱根山・丹沢山地・富士山が横浜の土の母

富士山の風景は誰もが好きですし、箱根で温泉につかる人、丹沢の山登りを楽しむ人も多いでしょう。
実は、箱根山・丹沢山地・富士山こそが横浜の土の故郷なのです。

4 神奈川県の代表的な三つの岩石にふれて考える神奈川県

 「地殻変動のミニ博物館」である神奈川県は、この狭い範囲に代表的な岩石の種類を多く見ることができます

●堆積岩の世界(砂岩・泥岩等)
 三浦半島から横浜、多摩丘陵一帯は堆積岩の世界です、
 一般的には古いほどかたいものが多いのですが、
●火山岩の世界(玄武岩・安山岩)
 箱根はほとんど安山岩という火山岩からできています。
 日本の爆発的な山は、安山岩からできているものが多いのです。
 富士山は玄武岩という岩石がほとんどです。これはかなり黒っぽくて溶岩状態ではさらさらして流れやすい溶岩です。ハワイのキラウエア、大島、三宅島は玄武岩の火山です。また、地球の海底はほとんど玄武岩でできています。
●アンコが深成岩(石英閃緑岩)である丹沢山地
 上の二つの岩石世界はけっこう同じ仲間の岩石が一様に見られるのですが、丹沢山地はずいぶんと複雑です、堆積岩も、火山岩(玄武岩も安山岩も)もたくさんあるし、その中心部は石英閃緑岩(トーナル岩と呼ぶこともある)という御影石みたいな岩石からできています。さらに、サンゴやオオウムガイの化石まで出てくるから不思議です。
 ★これら三つの地域の岩石を手に取ってルーペでそのつぶの様子を観察してみましょう。
 ◎そして、重要なことは、これら三つの地域の物質が横浜の土地の材料になっているということです。

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